静岡県東部地域グランドデザイン提言書

静岡県東部地域の10市町( 沼津市、三島市、御殿場市、裾野市、伊豆市、伊豆の国市、函南町、清水町、長泉町、小山町)において経済社会活動を営む私たち経済団体は、地域の持続的発展を願って、次の基本方針を踏まえ、このグランドデザインを策定しました。

基本方針

1.静岡県東部地域の10 市町を対象としたエリアが、自立した経済圏域として持続可能な発展を遂げるための成長戦略とする。
2. 本構想は、長期的な視点に立ち、次世代が活躍するステージとなる四半世紀先を見据えつつ、概ね10 年を当面の行動期間とする成長戦略を策定する。
3. 経済産業活動の担い手である経済界が主体となって描く地域の成長戦略として、事業者に望まれる取組方向を踏まえつつ、具体的な取組案を組み立てる。

4. 特に、圏域内の活力を最大限に引き出すために、このグランドデザインの策定にあたっては、「地域内連携」をキーワードとする。
5. 構想の実現性を高めるために、先ず「民間で実践できる取組」、「行政に期待する施策」、そして「民間と行政が連携して効果を発揮する取組」を、経済界の視点に立って提案する。


望まれる地域の将来像

富士・箱根・伊豆パワーアップトライアングル

富士・箱根・伊豆パワーアップトライアングル

  • 安心して働くことができる環境と、万一の災害に対して十分な備えがあり、人々が安心・安全で“快適”に生活していける地域
  • 地域内外の多様な連携をもとに、幅広い産業分野において、製品開発や市場開拓などの挑戦が喚起される“活力”に満ちた地域
  • 地域が有する知的資源が活かされ、さらなる知が創造されることが成長の源泉となっていく“創造”性溢れる地域
  • 多様な地域資源が融合しネットワーク化されることで地域の存在感が高まり、海外を含む域外からさらなるヒト・モノ・カネ・情報が集まり、様々な“交流”が生み出される地域
  • 自然との調和、文化・伝統の尊重など郷土愛を共有する人々や企業が共に、誇りを持って暮らし成長していける地域

 将来像実現に向けた4つの取組方向

地域の「強み」を生かし、地域経済の再生へ

「強み」
・ 先端技術・研究開発機能や医薬・医療機器産業の集積
・ 多様な産業、多彩な業種の企業が立地していることによる事業連携の可能性
・ 特に、農商工連携の多様な提携先の可能性
・ 高速道路ネットワーク機能の利便性向上と内陸部での立地可能性拡大
・ 首都圏100 ㎞圏内・大消費地に近接 等

(1)地域産業の振興と地域外からの参入の促進

企業にとって魅力の高い立地環境、投資環境を整えていく。

(2)異業種間の連携による新事業への積極的進出

マッチング機能強化により新事業へ積極的に進出できる風土、環境づくりに挑む。

(3)観光業の再生

消費者ニーズに対応したメニュー整備と地域一体のプロモーション活動の展開。

(4)地域内外の消費需要を取り込む商品力・販売力の強化

地域内外の消費者を対象としたマーケティング能力を強化していく。


11の取組テーマ

方向性を踏まえた産業振興

取組テーマ 具体化したい取組案
1 技術力の向上と蓄積 〈1〉
〈2〉
産学共同試作開発事業の促進
産学連携による個々の技術力・技能力の向上
2 業種を越えた連携を可能とするマッチング機能の強化 〈3〉
〈4〉
事業分野横断的マッチング支援組織の形成
6次産業の育成
3 新規事業化に向けた支援体制の構築 〈5〉
〈6〉
事業化コンサルテーションの仕組みづくり
地域ファンドの創設
4 広域観光圏域の形成 〈7〉 地域全体を対象とする観光振興体制の構築
5 地域企業のマーケティング力強化の支援 〈8〉 マーケティング共同勉強会の開催
6 地域内外への情報発信機能の強化 〈9〉 10 市町連携によるホームページでの情報発信
7 将来を担う人材の育成 〈10〉
〈11〉
経営者・幹部養成プログラムの実践
留学生受入体制の充実による人材の育成・確保
8 職場・地域の働きやすい環境づくり 〈12〉 事業所内保育の共同運営
9 循環型社会への地域ぐるみの積極的取組 〈13〉 地域エネルギー供給システムの共同研究

住民生活と経済活動を支える防災体制とインフラの整備

将来像を実現するためには、人々の生活行動や企業の産業活動の基盤となる防災体制の確立とインフラの整備充実が不可欠であり、官民一体で取り組んでいくテーマ

取組テーマ 具体化したい取組案
10 万一の災害に備える防災対策の構築と迅速な復興の実現 〈14〉
〈15〉
〈16〉
重要情報の地域共同保全体制の構築(クラウド活用)
市町の友好都市との救済協力体制の強化
防災に積極的に取り組む事業所を顕彰する
仕組みづくり(BCPの普及)
11 活発な産業活動を支えるインフラの整備と土地利用のあり方 〈17〉 静岡県、市町と連携したインフラ整備の協議会
組織の立上げ(行政境界を通る道路効率的整備)

計画の推進に向けて

提案した取組については、実行しようと思えば短期に実現できるもの、かなりの事前準備を要するものが混在しており、推進主体についても、民間が主体になるもの、行政などに期待するもの、両者の協力があって初めて実現が可能となるものが盛り込まれているので、全体を見通しながら、実施主体の役割分担を調整し、適切な実施時期を想定していく体制が必要となります。
こうした計画の推進に向けた課題を調整し、計画全体を実現性の高いものにしていくために、推進協議会や推進委員会といった新たな組織を設け推進役となる体制を整えていく。そして、実現に向けて優先順位の高い取組案を絞り込んだうえで、関係する各分野からの代表が集ってプロジェクトチームを結成し、具体的な行動に移してまいりましょう。

平成25年3月